こんにちは!
前回は、アドリブの正体についてお話させていただきましたが、今回は、ジャズという音楽の特性についてのお話です。
ジャズの最大の特徴、アドリブ。
アドリブとは、音楽に何をもたらせるものなのでしょうか?
アドリブのある音楽は、アドリブのない音楽と何が違うのでしょうか?
今回は、ジャズとジャズ以外の音楽の違いを知ることで、耳のチャンネルを「ジャズ」に合わせましょう。
ジャズと他の音楽の違い
ジャズのアドリブがテーマを変奏するものということは前回の講座でわかったけど、そのアドリブの何がおもしろいのかは未だにわからへん。
そうだね。アドリブのあるジャズの面白さは、楽譜のあるポップスやロック、クラシックの面白さとは違うから、まずはその違いを挙げてみようか。
そんなに違うの?
たとえていえば、楽譜のある音楽はセリフのあるドラマ番組で、ジャズはフリートークのバラエティ番組だね。ジャズとポップス、ロック、クラシックは、同じ音楽でもドラマとバラエティくらいの違いがあるんだ。
まじか
まじです。ドラマを見るつもりでバラエティを見たら、いつ物語が始まるのかずーっと待つことになるよね。バラエティを見るつもりでドラマを見たら、本人の言葉が聞けないから物足りない。
当たり前や!!チャンネル変えたときに気づけって話や
そう!ジャズにはジャズのチャンネルがあるんだ。バチカブリがアドリブをつまらないと思っているのは、本当にジャズが好みでないのかもしれないけれど、ポップスを聴こうとしながらジャズを聴いている可能性もあるんだよ。
Σ(゚Д゚)
とりあえず耳のチャンネルをジャズに合わせて、好き嫌いはそれからだね。
ジャズとポップスの聴きかたの違い
ここから、ジャズとジャズ以外の音楽の違いについてお話します。
ジャズとジャズ以外の音楽の違いは、アドリブがあるかないかです。
ここではアドリブのない音楽の代表として「ポップス」に登場してもらいます。
ポップスとは、最初から最後まで楽譜で書かれた、クラシックではない、軽音楽のことです。
ジャズとポップスはよく似ているからチャンネルの見分けがつかなくて当たり前といえば当たり前なんだ。モダンジャズ以前のジャズは、スコア(バンドの音が全部指示されている楽譜)あり、アドリブほぼなし、完全にポップスの形をしていたからね。
※モダンジャズ以前、ポップス草創期のジャズについては、ジャズの歴史(2)をご参照ください。
ジャズのテーマにも、もともとポップスだった曲がたくさんあるよね。
そうだね。ジャズの定番曲になった「枯葉」もシャンソンがアメリカでポップスになって流行ったものだし、「テネシーワルツ」もポップスだね。同じ曲でも、ポップスとして演奏されるのとジャズとして演奏されるのとでは、全然聴きどころが違うんだ。
ジャズのサビ
サビとは、曲の一番盛り上がるところのことです。
その曲の聴かせどころであり、ハイライトの部分です。
ここでガーシュインの「アイ・ガット・リズム」の楽譜を見てみましょう。
FROM”GIRL CRAZY”って書いてあるのは、この曲がガール・クレイジーっていうミュージカルナンバーだったからや。この曲ももともとポップスやな。

この曲のサビはどこか、当ててみましょう。国王陛下。
そんなの簡単や。曲調が変わるところやからここや!

そう、この曲はそこがサビですね。でも、ジャズだと、ここで必ずしも盛り上がらないし、盛り上げる必要もないんだ。
は?
ジャズは、テーマでは盛り上がりません。ボーカルは歌だからテーマで盛り上がるけれど、アドリブで勝負するボーカル以外のジャズは、テーマでは盛り上がらないんだよ。
うそやーーーー!!!!このぺらぺら楽譜一枚の中に盛り上がるところがなかったら、盛り上がりようないんやで!!
テーマで盛り上がるなら、アドリブはいりませんからね。さて、ここで前回表にしたジャズを演奏する順番を見てみましょう。
- テーマ×1周
- アドリブ×人数分+α
- テーマ×1周
なにか気づきませんか?
テーマが最初と終わり1回づつでアドリブが繰り返すんやろ。それはもうおぼえたやで。
それですよ国王!アドリブは繰り返すんです。
あっ!!
アドリブはこのペラペラの楽譜を何周も何周もするんだけど、どこで盛り上がるかは自分で決めるんだ。回数を重ねるごとに盛り上がることが多いかな。最初は様子見をして、段々音を入れていって、最後に押し寄せるように盛り上がるんだ。
わかった!!わかったやで!!!!段々ハイになっていく感じや!!!!
これはうまくいったときの話だけどね。来るぞ来るぞと思って弾いてたら、フレーズが出てこなくなって盛り下がることもあるよ。
それは聞くだけで身震いのする地獄やな・・・
ジャズが表現するもの
ジャズの盛り上がりかたはわかったけど、サビが関係ないのはびっくりや。
関係ないのはサビだけじゃないよ。どんなに悲しい歌でも、ロマンチックな歌でも、作者が曲に込めた思いのようなものはあまり考えないね。
エエェェェ・・・
すごく悲しい歌がブギウギになったり、にぎやかな曲がバラードになったりするよ。「いつか王子様が」や「私のお気に入り」みたいなディズニーの歌もかなり雰囲気変わるかな
そういえば前回コウメイが弾いていた「いつか王子様が」もえらい元気な白雪姫だったよね!
ボーカルにはちゃんと考えている人もいるにはいるけれど、それよりも、自分がどれだけかっこよく演奏するかが問題なんだ。僕たちは、曲のメカニズムを取りだして演奏するかたちだね。人の作った曲はもちろん、自分の作った曲でもそうなるね。
だとしたら、言葉でも表現できるものはジャズでは表現しないってことにならない?
どうだろう?音そのものが言葉になって、対話をしている感覚はあるけれど、それは自分の言葉であって、作者の言葉ではないのは確かかな。これは僕の考えだけど、ジャズという音楽は、文化よりももっと根源的な、エネルギーそのものを表現しているような気がする。僕も、演奏していると湧きあがってくるものがあったり、宇宙のエネルギーを感じるような気がすることがあるよ。

サイケデリックやんけそれ!!!いけないキノコで見えるやつや!!

そういえばサイケデリック・ミュージックは即興演奏の要素があるよね。ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンは怒濤のような即興演奏で、楽譜通りには弾かなかった。即興演奏をする意味はそこにあるのかもしれないね。
キノコを食べなくても充分どうにかなれて安上がりってわけや
食べてる前提っぽい言い方やめなさい。
インタープレイ
最後に、これはちょっとおまけというか、上級編になるけど、インタープレイの話をしましょう
よっしゃ上級編キター!上流階級のワイにはやっぱり上級編やで
インタープレイは、一緒に演奏するプレイヤー同士がお互いに刺激しあって、実力以上の実力を出して素晴らしい演奏をすることをいうんだ。
スポーツマンガによくあるやつやな。ライバルとの試合で強くなる的な
そう!予定調和のない、即興演奏だからこその現象だね。対抗心で強くなることもあるし、相性のよさで強くなることもある。ジャズはそんな奇跡が起こる音楽なんだ。
そう言われると早くアドリブ聴きたくなったやで!!アドリブ聴かせるやで!!
まとめ
・アドリブがもりあがるのは曲のサビとはかぎらない。
・ジャズはテーマでは盛り上がらない(ボーカルを除く)
・ジャズはアドリブを一周するごとに盛り上がってゆくことが多い
・ジャズの演奏に作曲者、作詞者の意思はほとんど反映しない
・ジャズは演奏中にプレイヤー同士が刺激し合って、予期しない、素晴らしい演奏をすることがある
最後に、映画「カサブランカ」の劇中歌で、ジャズスタンダードの名曲でもある「As Time Goes By~時のすぎゆくままに」を2パターン聴いてみましょう。
原曲は、ロマンチックなバラードなので、ジャズでもバラードで演奏されることの多い曲です。
まずは、バラードで聴いてみましょう。
次に、スイング調で弾いています。
このように、そのときの気分でどのようにでもなるのがジャズなのです。
いつもありがとうございます。
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